スリーパーズ (1996) : Sleepers

少年院時代に受けた心の傷を引きずった若者たちの友情と復讐の物語を描く人間ドラマ。ニューヨーク・デイリー・ニュース紙の元記者ロレンゾ・カルカテラの実体験も基づくノンフィクション・ノベルを、バリー・レヴィンソンの監督・脚本で映画化。撮影はミヒャエル・バルハウス、音楽はジョン・ウィリアムズがスコアを書き、アラン・メイソンの監修の下、フォー・シーズンズの『Walk Like a Boy』、ビーチ・ボーイズの『Good Vibration』などの既成曲が効果的に挿入されている。

監督:バリー・レヴィンソン
出演:ブラッド・ピット、ジェイソン・パトリック、ロバート・デ・ニーロ、ダスティン・ホフマン、ケヴィン・ベーコン、ブラッド・レンフロ、ヴィットリオ・ガスマン、ミニー・ドライヴァー

スリーパーズ (1996)のストーリー

1960年代。NYはマンハッタンの西側、ヘルズ・キッチン(地獄の調理場)と呼ばれる地区。スラムだったが一つの秩序が存在し、住人たちは掟の中で守られていた。リーダー格のマイケル(ブラッド・レンフロ)、小柄だが気の強いジョン(ジェフリー・ウィグダー)、読書好きのシェイクス(ジョー・ペリーノ)、おとなしいトミー(ジョナサン・タッカー)の4人の少年たちは、この街でいつも一緒だった。彼らは時々、街のボスのキング・ベニー(ヴィットリオ・ガスマン)に小遣い稼ぎの仕事をさせてもらっていた。4人の良き相談相手であるボビー神父(ロバート・デ・ニーロ)は、昔は街のチンピラだったが、今では優しい彼らの理解者。67年夏。彼らの人生は一変する。ホットドッグ屋の屋台を隠そうとした彼らは、運んだ先の地下鉄の入口で手を滑らせて階段から落としてしまい、通りがかった紳士に重傷を負わせてしまう。ウィルキンソン少年院に収容された彼らを待ち受けていたのは、班長のノークス(ケヴィン・ベーコン)を筆頭とする残忍でサディスティックな看守たちだった。昼間は見せしめのための暴行を加えられ、夜は看守たちの欲望のはけ口としてレイプされ、性的虐待を受けた4人の少年たちは身も心もズタズタに傷つけられる。このことは自分たちだけの秘密にすることを決めたが、出所の当日まで暴行と虐待は続いた。81年。やくざに身を落としたジョン(ロン・エルダード)とトミー(ビリー・クラダップ)はある夜、街で偶然、落ちぶれたノークスを見つけ、その場で射殺してしまう。裁判が始まったが、検察側の担当者は何と、地方検事となっていたマイケル(ブラッド・ピット)だった。実はマイケルは、新聞記者見習いとなっていたシェイクス(ジェイソン・パトリック)と裏で連絡をとり、この裁判を利用して、当時の看守たちに復讐することを企てていた。それは、2人の無罪を勝ち取り、残った3人の元看守たちに制裁を加えるといったものだった。裁判のシナリオは全てマイケルが書き上げ、次にシェイクスはそれを忠実に実行する弁護士を探した。シェイクスの相談を受けたキング・ベニーは、アル中のスナイダー(ダスティン・ホフマン)を脅して事件を担当させた。シェイクスは幼なじみのキャロル(ミニー・ドライヴァー)の手を借りて、検察側の証人を一人ずつ切り崩すが、最後の二人は不可能だった。そこで彼は、当日のジョンとトミーの偽のアリバイを作り、それをボビー神父に証言してほしいと頼むが、聖職者である神父は嘘の証言はできないと言う。そこでシェイクスは少年院時代の過酷な体験を初めて打ち明け、後の判断は神父に委ねた。裁判は進み、一方でマイケルの筋書き通りに3人の元看守にも復讐が行われていった。ある者はマフィアに処刑され、ある者は汚職と殺人で逮捕され、またある者は裁判の証人として出廷し、忌まわしい過去が暴かれた。最終弁論の日、ついにボビー神父が証言台に立ち、事件当日は2人と一緒だったと証言した。審判が下され、2人は無罪を獲得。ひと月後、4人とキャロルは祝宴を上げ、夜を徹して語り明かした。それは5人が最後に集った夜だった。

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