真夜中のカーボーイ (1969) : Midnight Cowboy

ジョン・シュレシンジャー監督による異色作品。虚飾の大都会ニューヨークの混沌から、必死に浮かび上がろうとする2人の若者の物語。ジェームズ・レオ・ハーリヒーの作品を、ウォルド・ソルトが脚色した。撮影はコマーシャル出身のアダム・ホレンダー、音楽はジョン・バリー、編集はヒュー・A・ロバートソンが担当。

監督:ジョン・シュレシンジャー
出演:ダスティン・ホフマン、ジョン・ヴォイト、シルヴィア・マイルズ、ブレンダ・ヴァッカロ、ジョン・マクギバー、バーナード・ヒューズ

真夜中のカーボーイ (1969)のストーリー

ジョー・バック(ジョン・ヴォイト)は、カウボーイのいでたちでテキサスからニューヨークに出て来た。彼は自分の肉体と美貌を武器に、孤独なニューヨークの夫人達を慰めようと考えていた。そして富と栄光を……。彼の商売の皮切りはキャス(シルヴィア・マイルズ)であった。だが彼女は街娼上がりのパトロン持ちだったため、逆に金を巻きあげられてしまった。そんな時、彼は足の不自由なペテン師ラッツオ(ダスティン・ホフマン)と知り合った。彼の紹介でジョーはオダニエル(ジョン・マクギバー)にひき会わされた。彼は狂言者であった。ラッツオにだまされたと知ったジョーは、必死に彼を探し歩いた。

しかし、無一文で街の酒場にしけこんでいた彼を見て、ジョーは何も言えなかった。逆に、ホテルを追い出されたジョーに、ラッツオは自分の室へ来るようにすすめた。それはとり壊し寸前のビルの、廃屋のような一室であった。そこでラッツオは彼の夢、フロリダ行きの夢を語るのだった。必死に、泥沼をはい上がろうと2人は力を合わせた。ラッツオがマネージャーとなり、ジョーは再び男娼を始めたがうまくゆかなかった。ジョーを買った最初の客は、ヘンゼル(ガストン・ロッシリ)とグレーテル(ヴィヴァ)のパーティで出会ったシャーリー(ブレンダ・ヴァッカロ)だった。一方、ラッツオの体はその頃から急激に衰弱していた。彼の為にもジョーは金を稼がねばならなかった。男色の学生の相手をしたり商用でニューヨークに来た男のホテルに行ったりして、彼はようやく幾らかの金をもらってラッツオの元へ戻って来た。2人はフロリダに向かった。太陽と新しい生活を求めて。ジョーは、今や屈辱と泥によごれたカウボーイ姿と訣別するのだった。しかし、ラッツオはあれほど憧れたマイアミの浜辺を見ることなく、唯一人の友人ジョーの傍で静かに目を閉じた。

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