レニー・ブルース (1974) : Lenny

1950年代から60年前半のあ練りか・ショー・ビジネス界に生きた異端児レニー・ブルースの生涯を描く。製作総指揮はデイヴィッド・V・ピッカー、製作マーヴィン・ワース、監督は「キャバレー」のボブ・フォッシー、脚本はジュリアン・バリー、撮影はブルース・サーティーズ、衣装はアルバート・ウォルスキー、音楽監督はラルフ・バーンズ、編集はアラン・ハイムが各々担当。モノクロ、ビスタサイズ。1974年作品。

監督:ボブ・フォッシー
出演:ダスティン・ホフマン、ヴァレリー・ペリン、ジャン・マイナー、スタンリー・ベック、ゲーリー・モートン、ガイ・レニー

レニー・ブルース (1974)のストーリー

1951年、メリーランド州ボルチモア。ストリッパー、ハニー・ハーロウ(ヴァレリ ー・ペイン)と駆け出しの芸人レニー・ブルース(ダスティン・ホフマン)が結婚し、二人で組んで仕事をする決心をした。レニーのエージェント、アーティ(スタンリー・ベック)や母親サリー・マー(ジャン・マイナー)の反対も若い二人の耳には入らなかった。だが、予想以上に客の反応は鈍く、二人は仕方なくロサンゼルスに向かった。同時に麻薬を常用し始め、ハニーは再びストリッパーに、レニーはどんな仕事にも食いついた。二人の関係がすさみ始めたとき、ハニーが妊娠、55年に娘のキティが生まれた。この頃から、レニーの芸はみだらで苦みのあるものに変わっていった57年に二人は離婚、キティはレニーが引き取ることになった。間もなくハニーはハワイで破産、麻薬取締法違反で2年の刑を宣告された。一方、二流クラブでのレニーの芸は更に苦しみを増し、独特のものに昇華していった。ルーズベルト夫人、アイク、ニクソン、ローマ法王を痛烈な“4の字言葉”で彼の政治的・社会的風刺芸は人間社会の偽善性を暴くものとして、やんやの喝采で受け入れられた。彼は一躍人気者になり、堂々たるスターだった。1961年、サンフランシスコの地下クラブで演技するレニーを刑事たちがじっと見つめていた。ある夜、彼はワイセツ罪で逮捕されたが、取調べの結果無罪になった。それ以来、レニーは単なるコミック芸人ではなくなっていた。裁判の模様までも芸にした彼は、猛然と法律を勉強し始めていた。学校され満足に出ていないこの36歳の男は俄に“法律家”になったのだ。1962年、シカゴ。レインコートとくつ下片方といういで立ちで、とりとめのない芸を演じるレニーに、聴衆の反応は冷たかった。すでに胸を犯されていたレニーは再び逮捕され、ニューヨークの法廷に立つことになった。アーティやサリーの意義申し立ても、無駄だった。警察側はレニーの演技のジェスチャーも交えて厳しい追求を行なった。必死に防戦するレニー。第一審で有罪が決まっていることを理由に、これ以上の抗議は望みうすと判断する弁護士。しかしレニーはおさまらなかった。偽善をおし隠そうとする権力の圧迫に彼は耐えられなかったのだ。法廷侮辱罪に問われながらも即決を要求するレニー。判決は有罪だった。レニー大声でわめき散らしながら護送される。1966年のある夏の夜、ハリウッド。ポリス・カー、救急車、マスコミ関係、野次馬らがレニーの家の周りに群がっていた。腕に注射の跡を残したレニー・ブルースの素裸の死体がバスルームから発見されたのだ。(ユナイト映画配給1時間51分)

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